診療内容

歯周病(増悪因子)

 歯周病の研究が進むにつれて、歯周病の発症・増悪には大きく三つの因子が関与していることがわかってきました。

 ひとつは歯列不正や義歯装着、咬合不全など口腔内にその原因があるものですが、いずれも口腔内清掃の不備から歯垢(プラーク)が付着しやすく、歯石は歯周病を悪化させます。

 二つ目は生体の因子です。

 老化は何人も避けることができませんが、加齢にともなって歯は咬耗・摩耗し、周囲の支持組織も徐々に弱まります。免疫機能も落ちますので、低栄養などが加わると歯周病は一気に悪化します。

 また糖尿病では血糖値が高いために血管がもろくなり、循環器系の合併症のリスクが増加しますが、同時に感染防御力が低下するため細菌が繁殖しやすく、同年代の正常人に比べて約3倍も有病率が高いことが報告されています。

 三つ目は生活習慣や環境因子です。

 心身のストレスが悪化の原因であることは古くからしれレ手いますが、歯科領域ではストレスが睡眠時の歯のくいしばりや歯ぎしりとして現れ、歯や周囲組織の損傷から歯周病となることがあります。

 最近、話題になっているのが禁煙です。喫煙が肺癌、心臓病、胃潰瘍などの健康被害を引き起こすことは御存知の通りです。

 しかし黒褐色のタールが歯やその周辺を汚すだけでなく、ニコチン成分が歯肉血液循環を悪化させて酸素や栄養の供給を阻害し、歯周病のリスクを高めることはあまり知られていません。

 喫煙しながら歯周病の治療を行っても予後が良くないこと、喫煙者は歯を失う確率が高いことをよく認識してほしいと思います。

 

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