歯周病(症状)
歯周病とは歯を取り巻く組織に起こる病気の総称であり、具体的には歯肉(歯ぐき)、歯槽骨、セメント質(歯の根)、歯根層(歯根と骨を結ぶ薄くて強い膜)が病的になることで、歯肉炎と歯周炎を合わせたものです。
歯肉炎は歯肉の出血や腫れが主で、進行すると歯周炎となりますが、これはかつて歯槽膿漏と呼ばれた病気です。
歯磨きが十分でないと食べかすが残りますが、これに細菌が増殖したものがプラーク(歯垢)です。
プラークは石灰化して歯石となりますが、これができるとますますプラークがたまりやすくなります。
歯周病の原因はこのプラーク中の細菌ですが、虫歯の原因菌とは別の種類です。
炎症が進むと歯と歯肉のすきまがゆるみ、やがて歯を支える周囲の組織が破壊され、ついには、歯が抜け落ちてしまいます。
歯肉炎は若年層から認められますが、二十代の前半ですでに60%の人に発病していると言われます。
歯周病は二十代後半から徐々に増え、五十代で80%を超えるとされますが、永久歯三十二本の損失歯数米国人と比較してみると、五十歳代までには両国とも大差ありませんが、80歳代では米国人が十本程度しか失わないのに対し、日本人はその倍以上も失っています。
これは日頃の歯の管理、特に歯垢の除去(プラークコントロール)が関係していると思われます。
歯周病の自覚症状としては、歯肉からの出血や口臭、食物がはさまりやすい、口腔がネバつく、歯肉がむずがゆい、歯が浮く感じがする、歯肉の充血・腫れ・痛み・排膿・歯がしみる、歯がグラグラする・・・などがあります。
これは加齢や歯のかみ合わせの他、糖尿病・喫煙・心身ストレスなどの因子も関与することがわかっています。