頭痛
日本全国で、「頭痛」「片頭痛」に悩んでいる人は15歳以上の人口の約8パーセントを超えるとみられており、そのほかの頭痛を合わせると、4人に1人、およそ3000万人が何らかの慢性的な頭痛に悩まされているといわれています。
脳腫瘍などの器質的な病気以外で起きる頭痛を「慢性頭痛」といいます。慢性頭痛はその3割が「片頭痛」で、7割が「緊張型頭痛」と呼ばれるものです。緊張型頭痛は、以前は筋収縮性頭痛や緊張性頭痛などと呼ばれていました。必ずしも首や肩の筋肉の収縮やこりだけでなく、ストレスなどによる心の緊張でも起こると考えられ、緊張型頭痛と名称が変わりました。また片頭痛と緊張型頭痛が混合した「混合型」の頭痛もあり、そのほかに「群発頭痛」もあります。
緊張型頭痛は、持続的な頭部筋の過緊張が原因で、頭全体が重苦しく、しめつけられるような圧迫感を訴えるのが特徴的です。偏片頭痛ではズキンズキンという拍動性の痛みを訴え、ときに悪心(おしん)・嘔吐(おうと)などをともないます。女性に多いのが特徴で、男性の約4倍といわれています。片頭痛に悩んでいる人の約4分の1は子どものころから始まっています。
群発頭痛はまれで、年に1~2回、連日のように続く時期とまったく起こらない期間があり、片側の目のあたりがえぐられるようなひどい痛みが生じます。混合型の頭痛は、片頭痛の罹患期間が長引いたり、こじれた人にみられます。
慢性頭痛を起こしやすい体質は遺伝することもあります。
こうした慢性頭痛は、肉体的、精神的ストレスによる心理的な緊張を引き起こし、それによって筋肉の緊張と血液障害や代謝障害が生じます。