児玉研究所

アトピー性皮膚炎

 「国民の3人に1人は、何らかのアレルギー様症状に悩んでいる」といわれ、近年、アレルギー性疾患に悩む日本人の数は増加の一途をたどっています。アトピー性皮膚炎も同様で、とくに思春期・成人の難治例の増加が大きな問題となっています。原因として、外界の異物(ダニ、ホコリ、花粉、カビ、動物)をはじめ、食物(卵、牛乳、甲殻類)や化学物質(薬品、添加物、農薬、新建材)、心身のストレスなど、複数の要因があげられています。

 わたしはこの20年間で、成人性アトピー性皮膚炎の患者さん1500人以上を検診しました。その結果、90パーセント以上の人に噛み合わせの異状がありました。そのなかで、顎関節の異状、顎関節痛、顎関節の雑音、口が開かない・開けづらいなどの症状をともなう患者さんが多数認められました。同時に、不眠、頭痛、肩こり、寝起きの疲労感、めまい、生理痛、生理不順*1、月経前症候群、うつ傾向など、原因のはっきりしない身体症状(不定愁訴)が多くの人に認められました。

 これまでに、そのうちの難治性アトピー性皮膚炎の患者さん500人あまりに噛み合わせの治療を行ってきました。また、噛み合わせ治療と同時に、患者さんの同意を得て、心理テストや血液検査を行ない、メンタル面も含めて患者さんの状態を把握するようにしています。