診療内容

金属アレルギーと歯科治療

 金属アレルギーがある場合、歯科治療は?
 ピアス、指輪、ネックレスなどのアクセサリー、メガネや腕時計などが金属アレルギーを起こすことはよく知られていますが、歯科治療に不可欠な金属材料も、時にアレルギーの原因となることがあります。
 アレルギーを起こしやすい金属は、ニッケル、クロム、アマルガム、パラジウム、亜鉛、コバルトなどですが、いずれも歯科の領域では治療後の修復(つめる、かぶせるなど)によく使われています。これらの金属は口腔内において電気化学的な溶出、微生物による腐食、かみ合わすことによる磨耗などにより、また皮膚では汗などによりイオン化し、これが皮膚のたんぱく質と結びついてアレルゲンとして認識され、反応を起こすようになります。比較的短期間で発症するケースもあれば、五年、十年と長い年月を要するケースもありますので、現在トラブルがなくても安心はできません。
 病変は口腔内の発赤、びらんから全身のアトピー様皮疹までさまざまですが、本症の存在が疑われる場合は、専門医でパッチテストや血液検査を受けてもらいます。もしも何か原因金属が特定されれば除去しますが、置き換えする修復物が再びアレルギー反応を起こす場合は、ハイブリッド系(ガラス繊維と樹脂を混ぜたもの)が比較的アレルギーが出にくいことが分かっています。
 金属アレルギーは一度過敏になると一生続きますので、しっかり原因を追究し、きちんと除くようにせねばなりません。